このセクションでは、金融市場の全体マップの重要ポイントを実例とクイズで整理します。
投資を始めるにあたって、まず知っておくべきなのが「株式市場とは何か」ということです。ニュースで「日経平均が上がった」「東証が値上がり」と聞いても、そもそも株式がどこで、どのような仕組みで売買されているのかを理解していなければ、情報を正しく読み解くことができません。このセクションでは、日本の株式市場の全体像を体系的に学びます。
証券取引所は、買いたい人と売りたい人をマッチングする「オークション方式」で成り立っています。かつては取引所の立会場で人が手振りで注文を出していましたが、現在はすべて電子化され、コンピュータが瞬時にマッチングを行っています。個人投資家は証券会社を通じて取引所に注文を出します。
日本の株式市場の取引時間は、前場(ぜんば)が9:00〜11:30、後場(ごば)が12:30〜15:30です(2024年11月より後場が15:30まで延長されました)。この時間帯に注文が約定(やくじょう=売買が成立すること)します。
2022年4月、東証は従来の「東証一部・二部・マザーズ・JASDAQ」という区分を大幅に再編し、3つの新しい市場区分に移行しました。各市場にはそれぞれ異なる上場基準が設けられています。
| 市場区分 | 対象企業 | 上場基準(一部) | 銘柄数の目安 |
|---|---|---|---|
| プライム | グローバル基準の大企業 | 流通時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上 | 約1,650社 |
| スタンダード | 一定の規模を持つ中堅企業 | 流通時価総額10億円以上、流通株式比率25%以上 | 約1,600社 |
| グロース | 高成長が期待される新興企業 | 流通時価総額5億円以上、事業計画の合理性 | 約600社 |
プライム市場にはトヨタ、ソニー、三菱UFJなど日本を代表する大企業が上場しています。グロース市場にはIT系のスタートアップなど成長途上の企業が多く、値動きが大きい傾向があります。投資の初心者はまずプライム市場の大型株から始めるのが一般的です。
取引所では「板」(いた)と呼ばれる注文の一覧表がリアルタイムで表示されています。買い注文は左側に、売り注文は右側に並び、価格が近い順に表示されます。成行注文が入ると、板の最も有利な価格の指値注文と即座にマッチングされます。
| 指数名 | 算出方法 | 構成銘柄 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 株価平均型(修正平均) | 225銘柄(プライム中心) | 値がさ株(株価の高い銘柄)の影響を受けやすい |
| TOPIX | 時価総額加重型 | プライム市場全銘柄 | 市場全体の動きをより正確に反映。大型株の影響が大きい |
| グロース市場250指数 | 時価総額加重型 | グロース市場の上位250銘柄 | 新興企業の動向を把握。値動きが大きい |
日経平均株価はニュースで最も頻繁に報じられますが、「株価平均型」のため1株あたりの株価が高い企業(値がさ株)の影響を強く受けます。一方、TOPIXは「時価総額加重型」なので、企業の規模(時価総額)に比例した影響力を持ちます。プロの投資家はTOPIXをベンチマークにすることが多いですが、一般的なニュースでは日経平均が多く使われています。