PART 3Chapter 6 · ローソク足 — 値動きの最小単位を読む

ローソク足の基本構造

このセクションでは、ローソク足 — 値動きの最小単位を読むの重要ポイントを実例とクイズで整理します。

読了目安
8
見出し
4
学習目標
3
このセクションで学べること
  • 1ローソク足の4本値(始値・高値・安値・終値)と実体・ヒゲの構造を理解する
  • 2陽線と陰線の違いを見分け、その日の値動きを読み取れる
  • 3時間軸(日足・週足・月足)による分析の違いを把握する

チャートの「文字」を読めるようになろう

株価チャートを開くと、画面いっぱいに並ぶ色とりどりの棒。これが「ローソク足」です。ローソク足は日本で江戸時代に発明されたとされる、世界最古のチャート分析手法のひとつです。現在では世界中のトレーダーが使っています。ローソク足はたった1本で「始値・高値・安値・終値」という4つの情報を伝えてくれる、非常に優れた表現方法です。このセクションでは、チャートを読むための「文字」であるローソク足の基本構造をしっかり理解しましょう。

ローソク足の四本値(始値・高値・安値・終値)

用語解説
四本値(よんほんね)
ある一定期間(1日、1週間、1時間など)の株価を4つの数値で表したものです。始値(はじめね)・高値(たかね)・安値(やすね)・終値(おわりね)の4つを指します。この4つの値が1本のローソク足を構成します。
名称読み方意味
始値(Open)はじめねその期間の最初についた価格。寄り付きの価格とも呼ばれます
高値(High)たかねその期間中に取引された最も高い価格
安値(Low)やすねその期間中に取引された最も低い価格
終値(Close)おわりねその期間の最後についた価格。引けの価格とも呼ばれます

たとえば「日足(ひあし)」のローソク足であれば、1本が1日の値動きを表します。朝の取引開始時についた価格が始値、その日一番高かった価格が高値、一番安かった価格が安値、取引終了時の価格が終値です。「週足(しゅうあし)」なら1本が1週間、「月足(つきあし)」なら1本が1ヶ月の値動きを表します。

具体例
ある銘柄の日足データが「始値: 1,000円、高値: 1,050円、安値: 980円、終値: 1,030円」でした。
この日、朝の寄り付きは1,000円でスタートし、日中に1,050円まで上がり、980円まで下がる場面もありましたが、最終的には1,030円で取引を終えました。始値より終値が高いので「この日は株価が上がった」と言えます。この4つの数字が1本のローソク足に凝縮されているのです。

実体とヒゲの意味

用語解説
実体(じったい / Real Body)
ローソク足の太い四角形の部分です。始値と終値の間の値幅を表します。実体が大きいほど、始値と終値の差が大きかった(=期間内に大きく値動きした)ことを意味します。
用語解説
ヒゲ(Shadow / Wick)
ローソク足の実体から上下に伸びる細い線のことです。上に伸びる線を「上ヒゲ(上影)」、下に伸びる線を「下ヒゲ(下影)」と呼びます。上ヒゲは高値、下ヒゲは安値を示します。

実体は「最終的な結果」を、ヒゲは「途中経過」を教えてくれると理解すると分かりやすいでしょう。実体が大きければ「買い手と売り手の決着がはっきりついた」ことを、ヒゲが長ければ「一度はそこまで動いたけれど押し戻された」ことを意味します。

たとえば上ヒゲが長いローソク足は、期間中に一時的に大きく上昇したものの、最終的には押し戻されて終わったことを示しています。これは「上値が重い」(=これ以上は上がりにくい)と解釈されることが多いです。逆に下ヒゲが長いローソク足は、一時的に大きく下落したものの買い戻されたことを示し、「下値が堅い」(=これ以上は下がりにくい)と解釈されます。

実体とヒゲの読み方
  • 実体の大きさ = 始値と終値の差 = 買い手・売り手の「決着の大きさ」
  • 上ヒゲの長さ = 高値から終値(または始値)までの距離 = 「上で売り圧力が強かった」証拠
  • 下ヒゲの長さ = 安値から始値(または終値)までの距離 = 「下で買い支えがあった」証拠
  • ヒゲがない(丸坊主)= 始値・終値が高値や安値と一致 = 一方向に力強く動いた

陽線と陰線の基本

用語解説
陽線(ようせん / Bullish Candle)
終値が始値よりも高いローソク足のことです。その期間に価格が上昇したことを示します。一般的に白抜き、または赤・緑で表示されます。
用語解説
陰線(いんせん / Bearish Candle)
終値が始値よりも低いローソク足のことです。その期間に価格が下落したことを示します。一般的に黒塗り、または青・赤で表示されます。

陽線・陰線の色はチャートツールによって異なります。日本の伝統的な表現では陽線が白(または赤)、陰線が黒(または青)ですが、海外では陽線が緑、陰線が赤という配色も一般的です。色の違いに惑わされず、「終値が始値より上か下か」で判断するのがポイントです。

図6.1: ローソク足の基本構造 — 陽線と陰線の構成要素(始値・高値・安値・終値・実体・ヒゲ)

上のチャートで実際のローソク足を確認してみましょう。陽線では実体の下端が始値、上端が終値になります。一方、陰線では実体の上端が始値、下端が終値です。どちらの場合も、実体から上に伸びた線(上ヒゲ)の先端が高値、下に伸びた線(下ヒゲ)の先端が安値を表しています。

要素陽線陰線
実体の上端終値始値
実体の下端始値終値
上ヒゲの先端高値高値
下ヒゲの先端安値安値
意味買い手が優勢だった売り手が優勢だった
このセクションのまとめ
  • ローソク足は1本で始値・高値・安値・終値の4つの情報を伝える
  • 太い部分(実体)は始値と終値の差、細い線(ヒゲ)は高値・安値を示す
  • 終値 > 始値 → 陽線(上昇)、終値 < 始値 → 陰線(下落)
  • 実体の大きさは「勢いの強さ」、ヒゲの長さは「押し戻された力」を表す
理解度チェック
ある日のローソク足が「始値: 500円、高値: 530円、安値: 490円、終値: 480円」でした。このローソク足について正しい説明はどれですか?
理解度チェック
日足チャートで「上ヒゲも下ヒゲもない陽線(陽の丸坊主)」が出現しました。この日の値動きとして正しいのはどれですか?
理解度チェック
週足チャートと日足チャートで同じ銘柄を見たとき、週足の1本のローソク足が表す情報として正しいのはどれですか?