スイングトレードに適した指標と設定値
テクニカル指標はさまざまなものがありますが、スイングトレードでは日足をベースにした中期的な設定値が適しています。この節では、スイングトレーダーが日常的に使う5つの主要指標と、それぞれの推奨設定値を解説します。すべての指標を一度に覚える必要はありません。まずは移動平均線(MA)とRSIから始め、慣れてきたら他の指標を追加していくのがよいでしょう。
移動平均線(MA)— 5日・25日・75日の三本線
スイングトレードにおいて最も基本的かつ重要な指標が移動平均線です。日本株のスイングトレードでは、短期線として5日MA、中期線として25日MA、長期線として75日MAの3本を表示させるのが標準的です。この組み合わせは、東京証券取引所の取引日数(1週間=5日、1ヶ月≒25日、3ヶ月≒75日)に基づいています。
| 移動平均線 | 対応期間 | スイングでの役割 |
|---|
| 5日MA(短期線) | 約1週間 | 直近の値動きの方向を把握。エントリーのタイミング判断に使用 |
| 25日MA(中期線) | 約1ヶ月 | スイングトレードの最重要ライン。押し目買いの基準として機能 |
| 75日MA(長期線) | 約3ヶ月 | 大きなトレンドの方向を示す。この線より上か下かで相場の強弱を判断 |
- 買いシグナル: 5日MAが25日MAを上抜け(ゴールデンクロス)し、25日MAが上向き
- 押し目買いの目安: 株価が25日MA付近まで下落して反発した時
- トレンド確認: 5日MA > 25日MA > 75日MA の順に並んでいれば上昇トレンド(パーフェクトオーダー)
- 手仕舞いの目安: 株価が25日MAを明確に下回った場合(終値ベース)
- 見送り条件: 25日MAが横ばいで方向感がない場合はスイングに不向き
RSI(14日)— 買われすぎ・売られすぎの判断
RSI(Relative Strength Index: 相対力指数)
一定期間における値上がり幅と値下がり幅の比率から、現在の価格が「買われすぎ」か「売られすぎ」かを0〜100の数値で示すオシレーター系指標です。スイングトレードでは14日間(約3週間の取引日数)の設定が標準で、70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎと判断します。
RSIの計算式
RSI = 平均値上がり幅 ÷(平均値上がり幅 + 平均値下がり幅)× 100
スイングトレードでのRSIの使い方は、主に2つあります。ひとつは押し目買いの補強材料として、RSIが40〜50付近まで低下した銘柄(上昇トレンド中の押し目)でエントリーするパターンです。もうひとつは、RSI30以下の売られすぎ水準からの反発を狙う平均回帰トレードです。注意点として、RSIだけでエントリーを判断するのは危険です。必ずトレンドの方向と合わせて使いましょう。
MACD(12, 26, 9)— トレンドの勢いと転換
MACD(Moving Average Convergence Divergence)
短期と長期の指数移動平均線(EMA)の差を利用して、トレンドの方向と勢いを判断する指標です。標準設定は短期EMA=12日、長期EMA=26日、シグナル線=9日です。MACDライン(12日EMA − 26日EMA)とシグナル線(MACDの9日EMA)の交差がトレード判断のポイントになります。
- 買いシグナル: MACDラインがシグナル線を下から上に抜ける(ゴールデンクロス)
- 売りシグナル: MACDラインがシグナル線を上から下に抜ける(デッドクロス)
- トレンドの強さ: MACDヒストグラム(棒グラフ)が拡大中はトレンドが加速中
- ダイバージェンス: 株価は高値更新しているのにMACDが下がっている場合、反転の兆候
- ゼロライン: MACDがゼロラインより上なら上昇基調、下なら下降基調
ボリンジャーバンド(20日/2σ)
ボリンジャーバンドは前節の平均回帰手法でも紹介しましたが、スイングトレードではさらに幅広い活用法があります。設定は20日移動平均線を中心として、上下に2σ(標準偏差)のバンドを表示するのが標準です。バンドの幅(ボラティリティ)の変化と、価格のバンド内での位置を組み合わせて判断します。
| バンドの状態 | 意味 | スイングでのアクション |
|---|
| バンド収縮(スクイーズ) | ボラティリティが低下、エネルギーが溜まっている | ブレイクアウトに備える。方向は未定だが大きな動きが近い |
| バンド拡大(エクスパンション) | ボラティリティが拡大、トレンド発生中 | トレンド方向にポジションを保持。逆張りは避ける |
| +2σ付近での推移 | 強い上昇トレンド(バンドウォーク) | 利確を急がない。中心線まで戻ったら追加エントリーも |
| −2σ付近で反発 | 売られすぎからの回帰の兆候 | 平均回帰の買い候補。ただし下降トレンド中は見送り |
一目均衡表のスイング活用
一目均衡表(いちもくきんこうひょう)
日本で開発されたテクニカル指標で、転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2・遅行スパンの5つの線で構成されます。「一目で」相場の均衡状態を把握できることからこの名前がついています。先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域を「雲」と呼び、この雲が支持帯・抵抗帯として機能します。
スイングトレードで一目均衡表を使う場合、すべての構成要素を理解する必要はありません。最も実用的なのは「雲」の使い方です。株価が雲の上にあれば買い優勢、雲の下にあれば売り優勢と判断できます。また、雲そのものが支持帯・抵抗帯として機能するため、株価が雲の上端付近で反発したポイントは押し目買いの候補になります。雲が厚い(先行スパン1と2の間隔が広い)ほど、支持・抵抗としての信頼性が高くなります。
- 雲の上に株価がある → 買い目線でスイングトレード
- 雲の下に株価がある → 売り目線、または見送り
- 雲の上端が押し目買いのサポートラインとして使える
- 転換線(9日)と基準線(26日)のクロスで短期的なトレンド変化を判断
- 雲のねじれ(先行スパン1と2が交差する地点)はトレンド転換の目安
日足チャートで、25日移動平均線が上向き、株価がその付近まで押した場面です。補助指標としてのRSI(14日)の値が次のうちどれなら、押し目買いの根拠が最も強まりますか?
「パーフェクトオーダー」とはどのような状態を指しますか?
一目均衡表の「雲」について、スイングトレードで最も実用的な使い方はどれですか?