PART 3Chapter 9 · チャートパターンと実戦エントリー

反転パターン

このセクションでは、チャートパターンと実戦エントリーの重要ポイントを実例とクイズで整理します。

読了目安
12
見出し
5
学習目標
3
このセクションで学べること
  • 1ダブルトップ/ダブルボトムの構造(ネックライン・測定法)を理解する
  • 2ヘッドアンドショルダーズ(三尊天井)を最も信頼性の高い反転パターンとして活用できる
  • 3反転パターン完成前にエントリーするリスクと、出来高による裏づけ確認の重要性を把握する

トレンドの終わりを告げるチャートの形

これまでのセクションでは、移動平均線やオシレーター指標など「数値で判断する」テクニカル指標を学んできました。ここからは、チャートに現れる「形(パターン)」そのものを読み解く技術を身につけていきます。チャートパターンは、多くの市場参加者が同じ形を認識し、同じように行動することで、自己実現的に機能する傾向があります。

反転パターンとは、それまで続いていたトレンドが終了し、逆方向のトレンドが始まることを示唆するチャートの形です。上昇トレンドの天井圏に現れるものを「天井型」、下降トレンドの底値圏に現れるものを「底型」と呼びます。反転パターンを正しく認識できれば、トレンドの転換点を早期に察知し、利益確定や新規ポジションの構築に活かすことができます。

ダブルトップとダブルボトム — 最も基本的な反転パターン

用語解説
ダブルトップ(二重天井)
上昇トレンドの終盤で、ほぼ同じ水準の高値を2回つけた後に下落に転じるパターンです。アルファベットの「M」の形に似ていることから「M字型」とも呼ばれます。2つの山の間の安値(谷)を「ネックライン」と呼び、このラインを下に割り込むと反転が確認されます。
用語解説
ダブルボトム(二重底)
下降トレンドの終盤で、ほぼ同じ水準の安値を2回つけた後に上昇に転じるパターンです。アルファベットの「W」の形に似ていることから「W字型」とも呼ばれます。2つの谷の間の高値を「ネックライン」と呼び、このラインを上に突破すると反転が確認されます。

ダブルトップ・ダブルボトムが有効に機能するためには、いくつかの条件があります。まず、2つの山(谷)の高さがほぼ同じであること。次に、形成に一定の時間がかかっていること(数日ではなく数週間以上が望ましい)。そして、ネックラインのブレイク時に出来高が増加していることです。出来高の裏付けがないブレイクは「ダマシ」になりやすいため注意が必要です。

2つの高値をつけた後に下落に転じるパターン。ネックラインを割ると売りシグナル。

図9.1: ダブルトップのパターン — 2つの山とネックラインに注目してください
具体例
ある銘柄が上昇トレンドで3,000円まで上昇した後、2,800円まで押し目を付けました。再び上昇して3,020円をつけましたが、そこから下落に転じ、2,800円のネックラインを割り込みました。
これは典型的なダブルトップです。3,000円と3,020円がほぼ同じ水準の「2つの山」、2,800円が「ネックライン」です。ネックラインを下抜けた時点で反転が確認され、目標値はネックラインから山の高さ分(約200円)下の2,600円付近となります。この「山の高さ分だけネックラインから測る」方法を「測定法」と呼びます。

ヘッドアンドショルダーズ — 最も信頼性の高い反転パターン

用語解説
ヘッドアンドショルダーズ(三尊天井)
3つの山で構成される反転パターンで、中央の山(ヘッド)が左右の山(ショルダー)より高い形状です。人の頭と両肩に見えることからこの名前がつきました。日本では「三尊天井」とも呼ばれ、テクニカル分析で最も信頼性が高い反転パターンの一つとされています。

ヘッドアンドショルダーズの構成要素は、左肩(最初の山)、頭(最も高い山)、右肩(最後の山、左肩とほぼ同じ高さ)、そしてネックライン(2つの谷を結んだ線)です。右肩の形成後、価格がネックラインを下回ると、反転パターンの完成(ブレイクダウン)となります。

2つの高値をつけた後に下落に転じるパターン。ネックラインを割ると売りシグナル。

図9.2: ヘッドアンドショルダーズのパターン — 頭(中央)が最も高い3つの山

信頼性を高めるポイントとして、左肩の形成時に出来高が最も多く、頭の形成時にやや減少し、右肩の形成時にさらに減少する「出来高の縮小パターン」が見られることが重要です。買いの勢いが徐々に弱まっている証拠だからです。また、ネックラインのブレイク時には出来高が再び増加することが理想的です。

逆ヘッドアンドショルダーズ(逆三尊)は、下降トレンドの底で現れるパターンで、3つの谷のうち中央が最も深い形をしています。構造はヘッドアンドショルダーズの上下逆転版で、ネックラインの上抜けが反転シグナルとなります。

その他の反転パターン — トリプルトップ・ソーサー型

ダブルトップとヘッドアンドショルダーズ以外にも、知っておくべき反転パターンがあります。トリプルトップ(トリプルボトム)は、ほぼ同じ水準の高値(安値)を3回つけるパターンです。ヘッドアンドショルダーズと似ていますが、3つの山(谷)の高さがほぼ同じである点が異なります。出現頻度はやや低いものの、信頼性は比較的高いパターンです。

ソーサートップ(ソーサーボトム)は、お皿(ソーサー)のような緩やかな丸い形を描くパターンです。急激な反転ではなく、ゆっくりと方向が変わるため、形成に長い時間がかかります。ソーサーボトムは「丸底」とも呼ばれ、ゆっくりと売り圧力が消えて買い圧力が増加していく過程を表しています。大底で出現することが多く、大きな上昇トレンドの起点になることがあります。

パターン形状信頼性出現頻度目標値の計算
ダブルトップ/ボトムM字/W字中〜高山の高さ分をネックラインから測定
ヘッドアンドショルダーズ三尊/逆三尊頭からネックラインの距離を測定
トリプルトップ/ボトム同水準3つの山/谷中〜高山の高さ分をネックラインから測定
ソーサー型お皿のような丸型明確な計算式なし(時間をかけて確認)

反転パターンを実践で活用するための注意点

反転パターンの活用ルール
  • 反転パターンは「事前に存在するトレンド」があって初めて成立する — レンジ相場では反転パターンとは呼ばない
  • パターンの完成(ネックラインのブレイク)を確認してからエントリーする — 形成途中での仕掛けはリスクが高い
  • 出来高の確認は必須 — ブレイク時に出来高が伴わないパターンはダマシになりやすい
  • 時間軸が長いほど信頼性が高い — 日足より週足、週足より月足で確認されるパターンが強い
  • ネックラインへの「リターンムーブ」(一時的な戻り)が発生することも多い — これは追加エントリーの好機になりうる
理解度チェック
ヘッドアンドショルダーズ(三尊天井)パターンにおいて、反転が確認されるのはどのタイミングですか?
理解度チェック
ダブルトップの「測定法」による目標値の計算方法として正しいのはどれですか?
理解度チェック
反転パターンの信頼性を高める条件として最も重要でないものはどれですか?