このセクションでは、チャートパターンと実戦エントリーの重要ポイントを実例とクイズで整理します。
これまでのセクションでは、移動平均線やオシレーター指標など「数値で判断する」テクニカル指標を学んできました。ここからは、チャートに現れる「形(パターン)」そのものを読み解く技術を身につけていきます。チャートパターンは、多くの市場参加者が同じ形を認識し、同じように行動することで、自己実現的に機能する傾向があります。
反転パターンとは、それまで続いていたトレンドが終了し、逆方向のトレンドが始まることを示唆するチャートの形です。上昇トレンドの天井圏に現れるものを「天井型」、下降トレンドの底値圏に現れるものを「底型」と呼びます。反転パターンを正しく認識できれば、トレンドの転換点を早期に察知し、利益確定や新規ポジションの構築に活かすことができます。
ダブルトップ・ダブルボトムが有効に機能するためには、いくつかの条件があります。まず、2つの山(谷)の高さがほぼ同じであること。次に、形成に一定の時間がかかっていること(数日ではなく数週間以上が望ましい)。そして、ネックラインのブレイク時に出来高が増加していることです。出来高の裏付けがないブレイクは「ダマシ」になりやすいため注意が必要です。
2つの高値をつけた後に下落に転じるパターン。ネックラインを割ると売りシグナル。
ヘッドアンドショルダーズの構成要素は、左肩(最初の山)、頭(最も高い山)、右肩(最後の山、左肩とほぼ同じ高さ)、そしてネックライン(2つの谷を結んだ線)です。右肩の形成後、価格がネックラインを下回ると、反転パターンの完成(ブレイクダウン)となります。
2つの高値をつけた後に下落に転じるパターン。ネックラインを割ると売りシグナル。
信頼性を高めるポイントとして、左肩の形成時に出来高が最も多く、頭の形成時にやや減少し、右肩の形成時にさらに減少する「出来高の縮小パターン」が見られることが重要です。買いの勢いが徐々に弱まっている証拠だからです。また、ネックラインのブレイク時には出来高が再び増加することが理想的です。
逆ヘッドアンドショルダーズ(逆三尊)は、下降トレンドの底で現れるパターンで、3つの谷のうち中央が最も深い形をしています。構造はヘッドアンドショルダーズの上下逆転版で、ネックラインの上抜けが反転シグナルとなります。
ダブルトップとヘッドアンドショルダーズ以外にも、知っておくべき反転パターンがあります。トリプルトップ(トリプルボトム)は、ほぼ同じ水準の高値(安値)を3回つけるパターンです。ヘッドアンドショルダーズと似ていますが、3つの山(谷)の高さがほぼ同じである点が異なります。出現頻度はやや低いものの、信頼性は比較的高いパターンです。
ソーサートップ(ソーサーボトム)は、お皿(ソーサー)のような緩やかな丸い形を描くパターンです。急激な反転ではなく、ゆっくりと方向が変わるため、形成に長い時間がかかります。ソーサーボトムは「丸底」とも呼ばれ、ゆっくりと売り圧力が消えて買い圧力が増加していく過程を表しています。大底で出現することが多く、大きな上昇トレンドの起点になることがあります。
| パターン | 形状 | 信頼性 | 出現頻度 | 目標値の計算 |
|---|---|---|---|---|
| ダブルトップ/ボトム | M字/W字 | 中〜高 | 高 | 山の高さ分をネックラインから測定 |
| ヘッドアンドショルダーズ | 三尊/逆三尊 | 高 | 中 | 頭からネックラインの距離を測定 |
| トリプルトップ/ボトム | 同水準3つの山/谷 | 中〜高 | 低 | 山の高さ分をネックラインから測定 |
| ソーサー型 | お皿のような丸型 | 中 | 低 | 明確な計算式なし(時間をかけて確認) |